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堀内佳のちょっと一言

現代社会で起きている様々な事実を、彼の視点で、そして肌で感じとり、その 事を憂い悲しみ、そして憤り、本来私たちの在るべき姿を想い願っています。 我々が、どこか忘れてかけている自分らしさ、人間らしさ、そして家族愛を・・・。
〜是非最後まで御覧ください。〜



 「マルチメディア時代」などと、いかにも格好のよいネーミングで、この時代を評され始めてもう 久しい。まるで「みんな乗り遅れたら大変だぞ!」と、煽り立てられているようだ。大した空腹でも ないのに、そこら中に溢れかえってる食べ物を、無造作に口に放り込み、痞満(ひまん)・更には生 活習慣病へと進む子供たちが増えている現状を、「宝飾の時代」とか「グルメ」などといって浮かれ ているのと、類似しているように思う。
 その仕掛け人の誘は、マスコミ(特にテレビ)ではないだろうか。 そんなテレビのあり方、そして 我々自身のテレビとの関わり方が、最近やたら気になる。マスコミの役割は、事実を報道することや、 娯楽を与えることで、我々受け手はその情報の中から本当に必要なものだけを選べば良いはずだ。し かし、現在のような「テレビ依存」とも言える生活下では、情報の選択は困難を極める。  大人がそんな状態ならば、子供の置かれている状況など言うまでもない。まだ善悪の判断もおぼつ かない子供たちの目に、あらゆる情報が否応無しになだれ込んでくる・・・!
 恐ろしいことである。しかも最近の放送は、やたら「パニック」だの「ショッキング」だの「スク ープ」だの言って、とても衝撃的な映像を競って流しているのだ。視聴率競争もあって次第にエスカ レートしていくのだろう。人間には順応性があって刺激に対する域値は、どんどん高まっていき、仕 舞いには刺激を刺激と感じなくなってしまう。・・・!毎日のニュースやワイドショー、ドラマやア ニメにいたるまで、一日中、殺人・通り魔・いじめ・自殺・汚職・・・etc、これを子供たちが毎日 毎日見ていたら、
 「嫌なやつは、いじめれば良いんだ」
 「つらい時は、自殺すれば良いんだ」
 「むしゃくしゃしたら、町に出て誰かを殺せば良いんだ」・・・
などと、毎日毎日教え込まれているようなものではにだろうか。もちろんテレビで、そんな事をやれ、 などと決して言ってないし、それどころか、そんな事件がなぜ起こるのか、どうしたら未然に防げる のかと、そういう討論番組も多い。そうやって、事件の根本にある問題をみんなで考え話し合うこと は、とても大切なことだと思う。
 しかし、事件を報道することによって子供たちに「こんな方法も有るよ」と、教えているのも確か なのだ。そこで、家族の会話でもあれば、まだ救われるのだろうが、その家族といえば多くの家庭で は、みんなバラバラでそれぞれの部屋で、それぞれのテレビで、それぞれ好きな番組を見ているのが 現状ではないだろうか。その日の出来事や考えた事を、じっくり話し合う機会を持つことが、なかな か難しくなっている。
 娯楽番組にしても、最近の笑いの取り方は、ほとんどが人を馬鹿にしたり、人の弱点を突いたりす るものが多いように思う。人の揚げ足を取ったり、人の失敗を笑ったり・・・画面を見ているとあま り感じられないかもしれないが、僕は画面が見えない分、言葉に集中するので、余計に気になってし まうのだろう。また、その手の番組が視聴率を稼げると見えて、子供たちの目の最も触れると思われ るゴールデンタイムは、そんなバラエティーやお笑いの番組が、圧倒的に多いように思う。
 もちろん、それだけが原因とは言えないだろうが、友人の間でも、笑いの取れない子は「根暗な子」 というレッテルを貼られ、仲間外れにされるケースが多いという事実を、テレビの影響じゃないとは 誰も言えないはずだ。笑いを取ることを「受ける」などと称し、そのために、人の弱点を馬鹿にしたり 虐めたり・・・。

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